2012年08月25日

『開かれた小さな扉』

先日、人間環境大学大学院の過去問を見ていたら、アクスラインによるディプス少年との遊戯療法の過程を書いた『開かれた小さな扉』という本からの抜粋が問題として掲載されていました。

その問題の抜粋だけを読んでも、ディプス少年の成長が感動的だったので、図書館で早速この本を借りてきて読んでみました。

とても素晴らしい本です。

開かれた小さな扉―ある自閉児をめぐる愛の記録
バージニア・M. アクスライン
日本エディタースクール出版部
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遊戯療法を行うにつれて、真の自分を表現するようになり、どんどんと快活になっていくディプス少年の生きるエネルギーは読んでいるこちらも元気にしてくれます。

さて、読んでいて一番思ったのは、アクスラインのディプス少年に対する働きかけが本当に「非支持的」なところでした。(もちろん帰る時間になるとちゃんと帰宅を促す発言をするなど、すべての発言が「非支持的」というわけではありません。)
アクスラインといえばロジャーズ派の遊戯療法ということですが、ちょっとびっくりするぐらい非支持的でした。

例えばこんな状況がありました。

ディプス少年 「指絵具はぼく興味ないの。ぼく絵を描くよ」
アクスライン女史 「絵を描く方がいいと思うの?」

ディプス少年 「ぼくレギンス脱ぐよ」
アクスライン女史 「脱いだ方がいいと思う?」

などなど。
もし自分が子どもと話をしているときにこんな状況になったら、
「絵を描くよ」→「じゃあクレヨンと紙持ってきてあげるね」
「レギンス脱ぐよ」→「自分で脱いでね」かまたは脱ぐのを手伝う。

となるんじゃないかなーと思うんですが、アクスラインは問いかけをすることで、絵を描くとかレギンスを脱ぐという行動を促進するのではなく、ディプス少年の気持ちにフォーカスしているんですね。このような問いかけを行うことによって、自分の感情や意見が明確になり、自主性が生まれるという考えが根底にあるのでしょう。

事例の本なので、小説のようにどんどん引き込まれる面白さがあります。
有名な事例のようですので、ぜひ興味のある方は読んでみてくださいね。
posted by 山崎 at 09:36| Comment(0) | 本(読み物)
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