2015年10月20日

仮説が大事

そろそろ秋の大学院受験もほぼ終盤になってきました。合格した方も、春まで受験が続く方もいらっしゃると思います。最後までがんばっていきましょう!

さて、学部の方はそろそろ卒論にとりかからないといけないのではないでしょうか?

卒論に限らず、研究計画書でも大事なものがあるのですが、しばしば明確になっていないものがあります。

それは、「あなたの研究の仮説」です。研究計画書でも、たまに(しばしば?)「こういうことを調べます」という研究計画書を用意する方がいます。

例えば、「ひきこもり経験がある学生の、中高生時代のスクールカウンセラーとの関係と、大学時代の自尊心を調べます」みたいな奴ですね。これ、調べるのはよさそうな気がします。たしかに、先行研究がないなら調べないよりは調べた方が世の中に役立ちそうです。

でも、「調べました→こういう結果でした」というのは研究としては、いまひとつです。

調べる前に自分なりの仮説をもって、そこで

「こういう仮説があります」
「その仮説が正しいか間違っているかはどう調べるんだろう?」
「調べました」

というのが良い研究でしょう。学部生ならばこのくらいでいいかもしれません。
実際には、

「こういう仮説があります」
「その仮説が正しいか間違っているかはどう調べるんだろう?」
「調べました」
「思ったのと違う」
「なんでだろう?」
「新しい仮説があります」
「その仮説が正しいか間違っているかはどう調べるんだろう?」
「調べました」

みたいな感じもありますよね。これを2年間で何周かすると良い修論も書けそうです。

ちなみに「こういう仮説があります」というのは、基礎的な心理学の理論や先行研究に則って、もしくは先行研究の穴(抜けている点)や、違和感のある点から作っていくのがセオリーでしょう。

しばしば、

「Aを調べました」
(「Bという結果でした」)

という卒業論文や研究計画を作る方がいますが、

「Aという先行研究では、穴がある。Bについてはこういう仮説を持ってます」
「Bについての仮説が正しいか検証しましょう」
(「Cという結果でした」)

といった形にするだけで、スッキリすると思います。卒論でも研究計画でも、「仮説」を大事にしてくださいね。
posted by 山崎 at 11:17| Comment(0) | 研究計画書

2014年06月08日

秋受験に向けて本格的に研究計画書作成を!

こんにちはー、山崎です。
今日はめちゃくちゃ暑いですね。外を歩いているだけで暑さにやられて疲れそうです!

さて、もう6月に突入しましたが、秋受験を目指す受験生の皆さん、研究計画書の作成は進んでいますか?

塾でも、秋受験を目指す受講生には出来るだけ早めに研究計画書に取り組み、願書提出1ヶ月前には研究計画書が完成するのを目標にサポートしていますが、研究計画書は最初に予想していたよりも時間がかかってしまうことがほとんどです。

例えば、今6月ですが9月の入試の場合、研究計画書作成までにあと2ヶ月ほどしかないということになります。
ある程度やりたいテーマは決まっているという人でも、そこから必要な先行研究を読み、これまでに明らかになっている知見を整理する必要があり、それに最低1ヶ月はかかります(論文を読むのは時間がかかるのです…)。

なんとなく頭の中で「これを研究テーマにしよう!」と思うと、もう後は書くだけに思えてきて、それほど時間はかからないだろうとついつい先延ばしにしがちですが、書いてみると、アレも調べないとコレも調べないと!と調べなければならない事柄がどんどん出てきます。
もし「頭の中で研究したいテーマは決まっているから後は書くだけ!」と思い込み、実際に研究計画書として文章化するのを願書提出2週間前から着手したとしたら…以外とテーマが絞り込めていなかった、読まなければならない論文がまだあった、思ったよりも研究計画書作成に時間がかかるので、入試直前の貴重な勉強時間が研究計画の作成に取られてしまって焦る・・・など、とんでもなく恐ろしい2週間を過ごすことになりかねません。


私はブログでも教室でも「研究計画書にはできるだけ早めに取り組んでください」と何度も言っているので、受講生の方には結構うざがられていると思うのですが、それでもやは願書ギリギリに研究計画書が仕上がる受講生の人が毎年います。
締め切りギリギリにできる研究計画書はどうしても修正にあまり時間が取れなくなるのでクオリティとして不満足なものになってしまいがちです。
締め切りギリギリに焦って研究計画書を作るのは精神的にもあまりよいものではありません。

ですので、特に秋受験の方は頑張って7月末までに研究計画書が完成できるのを目標に今から頑張って研究計画書に取り組んでください。
posted by 山崎 at 14:40| Comment(0) | 研究計画書

2013年07月31日

研究には、アレが大事!

 最近、温度変化が激しくて、うちでもクーラーをつけたり消したりといった感じです。そのためかプロロゴスでも風邪を引いて欠席の方がちょいちょいいらっしゃいます。皆さんもお気をつけくださいね。

 そろそろ研究計画書の提出時期も近づいてきましたが、皆さんはもう完成していますか?


 今回は修論や研究計画書で最も大事なものについて考えてみたいと思います。

 これには様々な答えが考えられますが、私は「仮説」を意識することだと思います。よく書けた研究計画書は「どういう仮説を確認するか」がすぐ分かりますし、イマイチなものは「どういう仮説を持っているか」がわかりにくいです。自分の研究テーマが「どういう仮説を確認するものなのか?」をすぐに答えられなければいけません。


 そして、仮説を設定する際には、以下の3点がポイントになります。

 1つめには「仮説を確認することにどのような意義があるのか?」です。例えば「大学生の友人関係の質の男女差」を調べるとします。これは調査としては面白いかもしれませんが、「で?なに??」という気がします。

 このような「とりあえず調査します」という研究テーマの場合は、「それを調べた結果をどう応用するか」ということが必要ですし、男女差やパーソナリティに関するものは、もっともっと踏み込んで考えていないと新しい知見が得られてとしても応用が難しそうです。


 2つめには、「仮説は先行研究の延長にあるのか?」です。先行研究の穴や、足りない点、疑問点などを元に仮説が作られなければいけません。「巨人の肩に乗る」という言葉がありますが、科学的であるためには先人の研究を踏まえる必要があります。

 例えば「バレーボールと抑うつ傾向の関連」という研究テーマは、実際にはバレーボールが有効な手法だとしても、「どこからバレーボールが来たの?」という突っ込みが待っていそうです。しばしば「アタシ理論」を振りかざす人を見かけますが、研究というのは、あくまでも先人の肩に乗って知識の地平を開いていく活動なのです。もちろん、そうでない先進的な研究というのもありえますが、修論レベルではそこまでは求められていませんし、多くの場合は先進的というよりも独りよがりになりがちです。


 3つめには、「仮説をきちんと確認できるか?」です。研究の結果として、「仮説が正しかった」もしくは「仮説が間違っていた」ということが確認されなければいけません。研究の方法として、この仮説と実験計画がズレているものもしばしば見かけます。また、例えば「ぼっち飯」をテーマにした研究というのは面白そうな研究ですが、十分な被験者を用意できるのか?、と考えると難しいかもしれません。


 今回は研究計画や論文についてふと思ったことを書いてみました。暑いですけど、夏やミンミンゼミに負けずに頑張りましょー!!


posted by 山崎 at 14:27| Comment(0) | 研究計画書

2013年06月19日

研究計画書作成に役立つ先行研究のまとめ方

こんばんはー、山崎です。
今日は大雨でしたね。週末には台風が来るとのことですが、こんなに台風って早く来てたっけ??ということを毎年言っているような気もします。

さて、最近7月受験用に研究計画書を見る機会が多くなってきました。
今、研究計画書作成に取り組んでいる皆さん、頑張ってくださいね。

研究計画書の作成にはいくつかポイントがあるんですが、先行研究についての言及の仕方が計画書にスムーズに組み込まれてないと感じることがよくあります。

読んだ先行研究はそれぞれ以下4つのポイントを2〜3行でまとめておくと後で研究計画を整理するとき、文章をまとめるときに便利です。


1.研究の目的
2.研究方法
 (対象者は誰で何人か、質問紙は何を使ったか、どのような手続きで行ったか)
3.研究結果
4.考察

特に、研究結果と考察を混同している受験生を見かけますがここは明確に区別して理解しておきましょう。
研究結果とは、その研究によって客観的に明らかになった事実のことです。そして考察とは、その研究結果から研究者が考えたことや知見です。

 先行研究のまとめ方については、ワークシートを作成して受講生に配布したいなーと思います(予定は未定・・・)。完成したときは、プロロゴスのホームページがブログで誰でもフリーでダウンロードできるようにしたいと思いますので、ぜひその時はご活用ください(でもまだ予定は未定です・・・できるだけ早いうちに作りたい・・・)。
posted by 山崎 at 20:12| Comment(0) | 研究計画書

2013年04月17日

研究計画書、進めてますか?

こんにちはー、プロロゴスの山崎です。

またまたご無沙汰してしまいました。

プロロゴスでも今週より本格的にすべての講座がスタートします!
体験授業は随時受付中なので、ご興味のある方はいつでもお気軽にご連絡くださいね。

さて、4月からの授業もはじまったばかりですが、すでに受講生の皆さんにはできるだけ早めに研究計画書について考えるようにお伝えしています。

このあたりの地域ですと、中京大学大学院、愛知淑徳大学大学院、椙山女学園大学大学院は入試が7月にあります。もう受験まで3ヶ月しかありません!
上記3校を7月に受験予定の方は、できれば6月中ごろに研究計画書完成を目指して予定を立ててください。

秋受験の方も、願書提出1ヶ月前には研究計画書が完成しているように取り組んでくださいね。

時間はあっという間に過ぎます!!
まだ手をつけなくても大丈夫かなーと思っていると、すぐに願書提出期限は訪れます。

研究計画書は大学院受験のキモですから、できるだけ手を抜かずに今からすぐにはじめましょう。

自分が関心のあるテーマについての本を読んでみるのもいいですし、ciniiで関心のあるキーワードを入れてどんな論文があるのか検索するのだったら今すぐにでもできますよね。

自分に今できる範囲のことから、とにかくはじめてみる!それが大事だと思います。

posted by 山崎 at 09:43| Comment(0) | 研究計画書