2014年06月09日

クーイングと喃語の違いについて

こんにちはー、山崎です。

今週の実践講座の課題は「発達心理学」です。
発達心理学は子どもの心理臨床とも関連が深いためか頻出領域でもあります。
幅が広いので覚えるのも大変ですが、用語説明でも論述問題でも対応できるようしっかり勉強してくださいね。

さて、今日の授業の時に受講生の1人から、「クーイング」と「喃語」の違いがイメージしづらいという意見がありました。
そうですよねー。定義を読んだだけでは、なかなか違いが分かりづらいんですよね。

まずは定義を見てみると

■クーイング(cooing)
生後2か月頃からみられる「アー」「ウー」など一つの母音を伸ばすような発声のこと。


■喃語(babbling)
生後4〜5か月頃から見られる複数の音節から構成される意味を持たない発声のこと。


確かに定義だけ見てもちょっとイメージつきかねますよね。
イメージしにくいと定義も覚えづらいので、youtubeでクーイングと喃語の動画を探してみました。
この動画を見ると、クーイングと喃語のイメージがしやすくなるはずです。

■クーイングの動画



■喃語の動画


やはりクーイングよりも喃語の方が発声がはっきりしており、よりおしゃべりに近づいているのが分かります。

クーイングと喃語については、youtubeでいくつか動画があがっているので、いろいろと見てみると二つの違いが直感的に分かりますので、ぜひ利用してみてください。
posted by 山崎 at 15:55| Comment(0) | 心理学キーワード

2012年05月12日

スクールカウンセラーの心理学基礎用語999

信州大学教育学部教育カウンセリング課程心理臨床専攻では、4年次にスクールカウンセラー実習を履修する場合、スクールカウンセラー実習資格試験というものに合格しなければいけないそうです。その試験の試験範囲となる心理学用語(999用語)が、以下の信州大学の論文にすべて掲載されていますが、これは大学院受験の勉強にも非常に役立つ用語集です。

実際、このスクールカウンセラー資格試験を受けることで、信州大学では心理職の公務員試験や心理系大学院の合格者を多数輩出しているとのことです。

スクールカウンセラーのための心理学基礎用語999 とその教育効果

学校教育や神経・生理などのカテゴリーの用語は、大学院受験の勉強には必要ないものも多くありますが、基本的にここに掲載されている心理用語はどれも心理系大学院
受験でも重要な単語ばかりがピックアップされています。特に教育大学系の臨床心理士指定大学院を目指す受験生には有用ではないかと思います。
ぜひこれを参考に、単語帳を作成するなどして勉強するといいですね。

posted by 山崎 at 21:20| Comment(0) | 心理学キーワード

2012年02月23日

オルソンの円環モデル

先日、愛知淑徳大学大学院心理学研究科の平成23年度4月入学第1期の英語の問題の模範回答を作成しました。

…この問題、思った以上に難しかったです。
英語は家族の機能状態を測定するFACESVの問題点を指摘したGreenらの論文からの抜粋でしたが、これは本当に心理学の研究論文を読みなれていたり、研究法を理解していないと読みにくいと思いました。

さらに問題も、部分和訳だけでなく、英文全体を理解していないと解けないような問題が出題されていますので、小手先の英文和訳のテクニックでは通用しない、真の英語力(と心理学の論文を読む力)が求められる問題だと思いました。

さて、今回読んだ過去問の内容は、最初に書いたようにFACESVという質問紙に対する批判を書いた論文でした。

ミネソタ大学のオルソンらは、「かじとり」と「きずな」の二軸からなる家族システムの円環モデルを提唱していますが、円環の中央にあるほど家族機能が良好であると提唱しています。

(オルソン円環モデルの説明はこちらを参考にしてください。)

そしてこれを測定する尺度がFACESという質問紙です。現在アメリカでは改訂を重ねFACESWが開発されているそうです(日本語版にはFACESKGがあります)。

さて、このFACESVの問題点を指摘したのが試験で出題されたGreenらなんですが、彼らは最終的に、FACES開発者のオルソンらと協力し、FACESWを開発することになったそうです。

GreenらはFACESWの開発協力に先立ち、オルソンに会いにミネソタ大学を訪れ、彼の研究室で「It takes alot work to make things appear simple」と書かれたディスプレイプレートに気づきます。

これを見て、Greenはこのように言います。

「物事をシンプルにするには多大な努力(研究)が必要だ」というこのフレーズは、ミネソタにいるオルソンたちだけじゃなくて、「部外者」である自分たちや、円環モデルの改良のためにずっと研究し続けている世界中の心理学者たちみんなにとっての応援メッセージだ。

 私たちがFACESWを作成すると決定したのも、そういった世界中でFACESを研究している心理学者たちのたくさんの努力があったからこそだ。こういったたくさんの素晴らしい研究を利用できることを嬉しく思うしまた幸運だと思う


 まさに「巨人の肩の上に立つ」という発想ですよね。これまでの多くの研究に支えられているという、他の心理学者たちに対する敬意が表れていてちょっと読んでて感動してしまいました。

 ロジカルかつ客観的に研究にのぞみつつも、同僚たちに対する敬意と研究目標に対する熱い情熱のある研究者は本当に素晴らしい!また一人、素敵な心理学者を知ることができてうれしいです(^^)

ちなみにオルソンの円環モデルは非常に有名な家族機能のモデルなので、家族関係の研究に興味のある方はオルソンの円環モデルやFACESを使った研究などを見てみるといいかもしれませんね。


posted by 山崎 at 11:25| Comment(0) | 心理学キーワード

2011年10月13日

特別支援教育

金城大学大学院の過去問を見ていたら、2010年に連続して2回、特別支援教育についての問題が出題されていました。
論述でかなり大きな問題として出題されている年もあり、特別支援教育について全く知識がない受験生にとってはかなり厳しい問題だっただろうなーと思います。

「特別支援教育」という用語のように、心理学の用語ではないけれど、福祉関連の用語でも臨床心理学と関連の深いものは心理系大学院受験の問題として出題される可能性があります。
もちろん、全体的に言えばその確率は低いですが、過去問を見て、福祉関連の用語なども頻繁に出題されている大学院を受験する場合には、必ず勉強しておきましょう。

また、特別支援教育については、平成19年の4月から学校教育法に位置づけられたという背景があって出題されたのだと考えられます。

臨床心理学に関連する法規などで、最近改正が行われたなどで話題になったものも出題される可能性がありますので、そういったニュースにも日ごろからアンテナをはっておくといいですね。

ちなみに特別支援教育についてですが、文部科学省の解説が丁寧です。パンフレットがPDFで見れますが、分かりやすいので一度見ておくといいでしょう。

文部科学省:特別支援教育

また第一法規さんのホームページでは特別支援教育理解チェックテストが掲載されています。

特別支援教育理解チェック

オンラインで3分程度でできるテストで、クイズ形式になっているので楽しんで理解することができます。解説も詳しく書いてありますので、ぜひ勉強の参考にしてください。
posted by 山崎 at 15:22| Comment(0) | 心理学キーワード